
他の地区でも「どうしたらいいんだろう」という戸惑いや混乱が見られました。去年4月3日は津波警報だったので(台湾東部でM7.7の地震)、明確に避難しなきゃいけなかったし、テレビやラジオも全て特別報道に変わって「津波から逃げて」という情報が一斉に伝達されたこともあったと思うんです。
――津波注意報での高台避難は決して間違いではありません。しかし、なぜ戸惑いが生まれたのでしょうか。
稲垣:
津波注意報が出た直後の時点で気温が32度だったんですね。また湿度78%で晴れていました。かなり暑かったです。こういう状況で、特に高齢者や障害者など移動が困難な方は一体どうしたらいいのか、どこまで逃げたらいいのか戸惑ったのは、無理からぬ話かなと思いました。
この日の沖縄本島の熱中症危険度は「危険な暑さ」でした。環境省の定義によると、高齢者においては安静状態でも熱中症が発生する危険が大きく、外出はなるべく避けて涼しい室内に移動するよう推奨される状況でした。
実際に県内では、避難中の6歳から8歳の小学生3人が熱中症の疑いで体調を崩すという事態も起きています。