8月5日から8月10日までの6連戦を4勝2敗で終え、6カード連続での勝ち越しに成功した阪神タイガース。11日に行われる予定だった広島との試合は雨で中止になったものの、2位の巨人が中日に敗れたため優勝へのマジックは1つ減り28となりました(8月11日現在)。今回は、38試合連続無失点中(8月11日現在)の石井大智投手 (28)に注目。ドラフトでは12球団で一番最後に指名された過去を持つ石井投手の好調の要因についてプロ野球解説者の能見篤史氏に聞きました。
プロ野球記録更新に期待!?石井大智投手のすごみとは?
―――石井大智投手 (28) は藤川球児監督の記録に並ぶ38試合連続無失点を達成。これはすごい記録ですよね?
(能見篤史さん)「すごいという言葉で片付けたらもったいないです。38イニング1点も取られてない。9イニング投げて1点取られたら防御力が1.00。ということは…先発投手よりすごいことを達成しているんですよ」
―――あと1試合でプロ野球記録に並びます。この記録がどこまで伸びていくのか。石井投手の持ち味はどんなところでしょうか?
(能見さん)「まず強気でどんな場面でも攻められる。状況によっては一歩引いたりすることもありますが、石井投手はそういうのが一切ない投手。満塁であろうがランナーがいようが関係なく、どんどん石井投手が攻められるので、やっぱりここが一番かなと思います。きょうはいつもと違うな…という日がないのがすごい」
準備がしっかりできていて、自分がやるべきことに集中しているのも石井投手の良さだと能見さんは語ります。また、能見さんは石井投手の性格をまじめで研究熱心と分析。実は石井投手は高専卒で初めてのプロ野球選手で、建築の勉強をしていたなかで、中学の同級生がプロになり、「俺でもできるかも…」と5年生になる前の春にプロを目指すと決断したそうです。
(能見さん)「筋力をつけることに関しても、筋トレ=ボールが速くなるというわけではなく、体に最大限伝えないといけないので、柔軟性も絶対に必要。柔軟性についてもきちんとトレーニングしているので、先のこともちゃんと考えてトレーニングをしている。試合でも、相手バッターの特徴もしっかり把握した上で自分が何を投げたらいいのかというのも全て頭に入っている」
―――石井投手は2020年にドラフト8位で阪神に入団。12球団の一番最後の74番目に指名がかかりました
(能見さん)「その年に指名されない可能性もあるというところで最後に呼ばれた。スカウトは優秀ですよ」
入団前から「藤川投手に並べるように」と語っていた石井投手が連続無失点記録で並びました。これを追い越しプロ野球記録に並び、新たな記録を達成していくのか。注目です。