1年で一番“お墓”について考える時期が、お盆休み。帰省した際、お墓参りをする人もいるかもしれません。ただ、近年増えているのが「墓じまい」。家族や親族のお墓を撤去・返却する人が目立ってきています。

 なぜお墓の需要が減っているのか?墓じまいにかかるお金は?コストがかからない方法は?起こり得るトラブルは?行政書士・ファイナンシャルプランナーの松尾拓也氏、正覚寺住職・鵜飼秀徳氏への取材も含めて、墓じまいについて解説します。

10年で約2倍…墓じまいが増えるワケ

 近年急増している「墓じまい」。厚労省によると、墓じまいを含む改葬の年間件数は10年前の約2倍。2023年度で16.7万件となっています(厚生労働省 衛生行政報告例)。なぜ墓じまいが増えているのか。行政書士・FPの松尾拓也氏は、次の理由が考えられると言います。

 <墓じまいが増えている理由>
 ▼家族の形の変化
 ▼墓じまいの報道・身近な体験談の増加
 ▼経済的理由
 ▼“ご先祖さま”とのつながり希薄化

 ほかに影響が大きいのは「長寿化」。大往生で亡くなった場合、葬式・墓などは比較的簡素になる傾向があるそうです。また、施設で過ごす期間が長くなり、“送る側”の子どもも高齢になり施設に入るなど、お互いのつながりが薄れてしまうことも、墓じまいが増えている理由の1つだそうです。