宮城県栗原市の山間にランプの宿として知られる秘湯の温泉宿があります。自然豊かな栗駒山麓に抱かれながら200年の歴史を刻み続ける宿の夏の表情をカメラが見つめました。

面積の9割が森林を占める宮城県北西部の栗原市花山。その秋田県境の山懐にひっそりと佇む「湯濱温泉 三浦旅館」があります。

江戸時代にクマ狩りをしていたマタギによって発見され、開湯200年の歴史を誇ります。

宿を受け継いでいるのが、4代目の三浦治さんと5代目の長男、千尋さんです。

5代目三浦千尋さん:
「栗駒山の自然を満喫してもらい、温泉しかり、山菜しかり、キノコしかり楽しめる要素が栗駒山は詰まってると思うので、私たちをうまく使って楽しんでほしい」

三浦旅館 三浦千尋さん:
「ランプの明かりと違ってはかなくて癒される」

三浦旅館 三浦千尋さん:
「栗駒山のマザーツリーと呼ばれているすごく大きな木でそれを見に行きましょうという(企画)」

7月21日、三浦旅館が企画したガイドツアーには、宿泊客2人が参加し、さっそく、宿を出発です。

樹齢200年から300年になるブナの原生林が広がる古道を歩きます。

ツアー参加者:
「冷たくておいしい!」
「冷たい水はほっとする」

いよいよ、目的地に近づいてきました。

三浦旅館から4キロあまり。時間にして約3時間。栗駒山の「マザーツリー」にたどり着きました。

日本固有種の黒ヒノキで「千年クロベ」と呼ばれています。幹回りは、約10メートル。2019年に県の天然記念物に指定されています。

三浦千尋さん:
「小規模な水蒸気爆発だが、噴火は噴火だが、何回経験しているのかと思う」

ツアー参加者:
「実際歩いてみると知らなかったことが沢山分かったり、いろいろな歴史があると思い興味のある山」

ツアー参加者:
「飽きない。歩いていて。今回は沢を渡ったり見どころが沢山で楽しい山」

三浦千尋さん:
「大自然の歴史もあり景色だけはなく、人の文化も交差するような山なので、そこも感じてもらうと違う角度で楽しめると思う」

緑輝く森、栗駒国定公園。由緒ある名湯とともに栗駒山麓の豊かな自然に抱かれながら湯濱温泉・三浦旅館は、これからも人々に安らぎのときを与え続けます。

緑に覆われている古道は、木陰でいくつか沢も流れているため、この猛暑のなかでも涼しさを感じながら散策を楽しめるということです。

三浦旅館のガイドツアーは、宿泊者を対象に年に2回企画されていて、次回は9月15日の予定です。