サニブラウン アブデルハキーム(26、東レ)が海外トレーニングに臨むにあたり、羽田空港で取材に応じた。

世界陸上2大会連続ファイナリストのサニブラウンは、昨年のパリオリンピック™の準決勝で9秒96をマークし、東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)をクリア。しかし、7月3日の日本選手権前の会見で「右股関節上部の骨挫傷」との診断を受けたことを明かし、翌4日の100m予選に出場したが、10秒45の組4着で予選敗退となり代表内定を手にすることはできなかった。

現在の状態について「先日走り始めてここから1か月ちょっとですかね、しっかりコンディションを合わせていければ」と話すにとどめたサニブラウン。世界陸上までのスケジュールについては「正直、何も決まってないです」とした。

この日は山梨で行われた「富士北麓ワールドトライアル」で桐生祥秀(29、日本生命)が9秒99(+1.5)を叩き出し、日本選手権で7位だった守祐陽(21、大東文化大)が10秒00(+1.3)の自己新をマーク。ともに東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)を突破した。

サニブラウンは「そうですね。それこそ桐生選手がこれまでずっと頑張ってきているのは知っていますし、本当に同じ日本選手団として、ものすごく嬉しいです。本当にお互い刺激し合って、桐生さんと自分だけじゃなくて、他の選手たちもそうやって刺激されて、みんな日本短距離界、陸上界切磋琢磨して頑張っていければなと思っています」とライバルでもあり、短距離界の仲間でもある桐生へメッセージを届けた。

日本選手権(7月)を制した桐生が代表入りを確実とする中、残りの代表枠をめぐる争いも熾烈に。「焦りとかは全くないですね。本当にできることはしっかり毎日やってきていますし、これから1か月何が起ころうとも、しっかり準備して合わせていく。出れる出れないに限らず、本当に調整していくだけかなと思っています」と話した。