高知県南国市の病院で、注射によるがん治療の臨床試験が行われています。県内にいながら全国レベルの臨床試験を受けられる、オンライン診療システムを活用した取り組みです。
注射によるがん治療の臨床試験が行われているのは高知大学医学部附属病院です。
人口の多い都市部に集中している臨床試験が可能な医療機関。地方の患者にとっては通院の負担が課題でしたが、「愛知県がんセンター」などが連携し、がん治療の臨床試験をオンラインで行う仕組みを構築。4月に高知大学医学部附属病院もパートナー契約を結び、高知で全国レベルの臨床試験を受けられるようになりました。

1日は50代の男性が訪れ、症状が快方に向かっていることや、今後気をつけるべきことなどを、リモートでやりとりしていました。
患者(50代男性)
「向こうに行ったら、2日かかりになるので、行かなくていいのはうれしかったです。今は治験(臨床試験)なんですけど、この治療方法が広がればいいのかなと思います」

(高知大学医学部附属病院 治験コーディネーター 唐岩咲季さん)
「高知県はすごく都市部から離れていて、ふだんだったら参加できない患者さんも、治験に参加することができる。そのことに少しでもサポート・協力させてもらっているというところは、コーディネーターとしてやりがいを感じています」

高知大学医学部附属病院は将来的には臨床試験を実施するノウハウを身に付け、県内のさまざまな病院とオンラインによるリモート臨床試験を実現したい考えです。
