連日の猛暑でダムの水位も下がり始めました。今から2か月前、6月上旬に撮影した竜門ダム(熊本県菊池市)の様子と、7月31日現在の様子を比べてみると、水が少なくなっていることがわかります。

※7月31日(木)時点

記者「竜門ダムは黒いライン(画面では赤い矢印)まで水位があることが多いのですが、かなり下がっています」

31日午後3時の時点でダムの貯水率は64%でした。貯水率が65%を下回ると、ダムを管理する国土交通省が、水を引く農業関係者たちに節水を呼びかけます。

竜門ダムの水位は、赤い矢印まであることが多い

31日、国交省の菊池川河川事務所で開かれた会議では「2025年は6月27日に梅雨明けが発表され、記録的に降水量が少ない」と報告されました。

国交省の担当者「例年はこれから水需要が増えていく時期。今後さらに貯水率が低下していくと考える」

田んぼの水が「お湯」に

竜門ダムの水の3分の2ほどは、菊池市や合志市、熊本市の一部などで農業用水として使われます。

菊池市のコメ農家は「水不足」を心配していました。

菊池市のコメ農家「雨は少ないですね、体感的に実感してます。夕立くらいあるとだいぶ助かりますけどね。ずっと溜めているとお湯になってしまうので、ある程度冷たい水を入れながらじゃないと、稲のために良くないと思います」

今の時期は、田んぼの土を乾かして稲の根を強くする「中干し」と呼ばれる状態。この田んぼに8月中旬から9月にかけて再び水を張るため、一気に水の需要が増えると見込まれます。

しかし2025年は、竜門ダムで最も貯水率が下がった2002年よりも貯水率が早いペースで下がっています。

菊池川河川事務所 上水樽昌幸 所長「2002年よりも1か月ぐらい早い状況。しっかり皆さんと連携していかなければ」

国交省によりますと、このまま雨が少ない状況が続くと9月ごろに貯水率が30%~20%に落ち込む恐れがあるということです。

国交省は8月8日にも会合を開き「農業関係者に対し、田んぼに水を引く量を減らす『取水制限』を周知する」としています。

そして竜門ダムの場合は農業用水以外にも、工業用水や生活用水として使われています。

このまま雨が少ないと、生活の様々な場面で影響が出てきそうです。