神社が地震で倒壊した石川県の奥能登地域では、ご神体や神輿の保管、修復などさまざまな課題と向き合いながら一歩ずつ前に進んでいます。

祭りの神事が執り行われている輪島市門前町・総持寺通りにある仮設の神社です。

ここにはかつて7つの神社にあった15の御神体が祀られています。

仮殿の神職・四柳正彦さん「神様自体が元々は土地につくものなので、何とかそこの土地の神様をお守りしなくてはならない」
能登半島地震によって四柳さんが管理していた輪島市内12の神社のうち9つの神社で社殿が全壊するなどの被害がありました。

約1年前から四柳さんは商店街の空き店舗を借り、安置する場所を失ったご神体を祀っています。
仮殿の神職・四柳正彦さん「普通の店舗だったところを何か神様を移す場所が必要だというところで自宅の方にあった祖霊舎をとにかく何かお参りできる施設が必要だということでこちらに移した」
提灯やいすなどは使える物を持ち寄り、祭りで使う幕はそれぞれの神社の紋が描かれたものにその都度、かけ替えます。

仮殿の神職・四柳正彦さん「幕とか大変ですよ。祭りごとに取り換えなくちゃなんないんで。自分の所のお祭りだって感覚になるんで。ここでやってても」

住民「今年は何とかお宮で祭事して、あと太鼓と獅子舞が少し動くという話になったんで、少し前進したんだと思いますよ。」
「やっと例年通りっていうか、戻ってきたなっていう感じなんじゃないですかね」

来月には、さらに2つの神社のご神体が祀られることになります。
仮殿の神職・四柳正彦さん「社を直すというと、それなりの負担が出てくるので、それを強いるわけにもいかないので、その辺がやっぱりもう少し柔軟な制度があればなっていう気はしますけどね」