それでは、津波注意報や津波警報が発表された県内の様子を振り返ります。
(防災無線による呼びかけ)
「津波警報が発表されました。海岸付近の方は高台に避難してください」

カムチャツカ半島付近で発生した巨大地震の影響で30日午前8時37分、岩手県を含む太平洋の沿岸に津波注意報が発表されました。
それからおよそ1時間後の午前9時40分に、津波警報へ引き上げられました。

(記者リポート)
「津波の到達時刻が迫る中、高台にある小学校の避難所に続々と市民が避難しています」
岩手県内に津波の到達が予想された午前10時半、緊張が高まりました。

そして…県内の津波の最大値は久慈港が1メートル30センチ、宮古と釜石が50センチ、大船渡が40センチでした。
久慈港では津波警報と注意報が出された観測場所で最も高い津波を観測しました。
沿岸全ての12市町村は避難指示を出して、最大で112か所の避難所が開設されました。
久慈市の街中では人影も少ない状態でした。

海から2、3キロ離れた久慈市のこちらの避難所には、学童保育クラブの小学生や近くにある高齢者施設の利用者、住民ら合わせて110人ほどが身を寄せました。
(住民は)
「まさか最初は注意報でしたから、ここまでとは思っていなかった」
「こちらエアコンとかないんですよ。扇風機でしのいでるんですけど」

「暑い方だからがまんできますけど、これが冬になるともっと大変だと思うんですよ」
暑さが厳しい今年の夏。
大槌町の避難所では30代の女性が熱中症の疑いで救急搬送されたということです。

夜になっても警戒が続く中、午後8時45分、岩手を含む全ての津波警報が津波注意報に切り替えられました。

(住民は)
「前に震災を見てるから今回は早く(避難所に)来てました」
「(警報から注意報になって)ありがたいですね。家に帰れるだけ」

一部の町と村を除いて避難指示が継続していましたが、多くの住民が警報の解除に合わせて帰宅しました。
住民の中には東日本大震災の教訓を生かし、早期に避難した住民もいました。