30日午前8時半ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近を襲ったM8.8と推定される巨大地震。気象庁は、日本の広い範囲で津波警報や津波注意報を発表しました。

▼沖縄気象台 山田 津波火山防災情報調整官
「この地震により、現在沖縄県全域に津波注意報を発表しております」

午前10時前、沖縄県全域に津波注意報を発表。

▼北谷公園サンセットビーチのライフガード
「速やかに沿岸から離れるようお願いいたします」

津波注意報の発表を受け、各地で海岸付近からの避難が呼びかけられたほか、高台に避難する人の姿が確認されました。

上江洲記者
「宜野湾市の嘉数高台公園です。津波注意報が発表されて15分ほどが経ちましたが、普段と特別変わった様子はありません」

家族9人で避難
「サイレンで気づいて、家族みんな拾って、こっちに避難してきました。注意報だけど、訓練がてら避難しないと危ないですね」

名護市でも―。

学童指導員
「色んな情報を先生たち集めているから、体調悪い人いたら、ちゃんとお話してよ」

夏休みの最中に発表された津波注意報。子どもたちを預かる学童クラブでも対応に追われました。

学童指導員
「一度、4月頃にあった時も急きょ避難したので今回二度目となっているので、子どもたちも若干落ち着いてはいたんですけど。不安がっている子もやっぱりいるなか、ちょっと様子を見ながら遊んでもらったり、熱中症に気を付けながら、水分補給したりして過ごしています」

吉田通信員
「石垣市のバンナ岳には多くの市民や観光客が車で避難してきていて、駐車場に入りきれない状態となっています」

▼石垣島の避難者
「ドンドンこっちに避難してきているので、 ちょっと怖いよね、初めてだもんね」「10時すぎぐらいから(早めに)来て、(両親は)歩ききれないから2人とも」

石垣島の避難者

那覇市久米にある沖縄福祉保育専門学校には近隣の学童に通う児童や周辺住民など約150人が避難しました。

▼学童指導員
「いま波がいま多分、このくらい。それが大きいのか小さいのかもわからないから、ここに避難している、安全な場所に」

那覇市松山の津波避難ビルには、外国人観光客の姿も―。

▼外国人観光客
「スマホにこの情報が届いた。津波避難ビルに行って安全確保するよう情報が届いた。こんな経験初めてで、想像もしていなかったので不安です」

消防隊員
「沿岸はかなり避難されているかと思うんですけど、どうしても外国人の方が歩いているのが見えるので、防災無線でも日本語や中国語を流してはいるんですけれども、まだ少しいるかなって感じになります」

夏休み中の観光客で賑わう那覇市第一牧志公設市場でも、安全確保が呼びかけられました。

また、午後1時過ぎには、避難者のためにキャンプフォスターのゲートが開放されました。

県は情報連絡室を立ち上げ、情報収集にあたりました。県内の関係機関や各市町村の担当者とオンラインで会議を開き、避難を促す際の注意点などを説明したほか、津波到達予想時刻の30分前には警察や消防など防災関係機関も避難するよう呼びかけました。

このほか、交通にも影響が広がりました。海の便では離島と各地を結ぶ便などが欠航。

石垣フェリーターミナルの観光客
「小浜島に行く予定だったんですけど、正直どうすればいいのか分からなくて今、途方に暮れています」

小浜島在住の女性
「祭りがあるので祭りのための買い出しに(石垣島に)来たんですけど、どうしますかねもう、泊まるしかないですね」

また、空の便では那覇にと仙台を結ぶ便が欠航となるなど、一部で影響が出ています。

県内でも津波が観測されています。午後2時3分に沖縄市の中城湾港、午後3時26分に宮古島市の平良、午後3時42分と午後4時34分に南大東村の南大東漁港、午後4時41分に南城市、午後5時13分に那覇市で、それぞれ10センチの津波が観測されました。

沖縄気象台によると今回の地震は規模が大きく、震源地から距離があるため、伝わる時間が長くかかり、津波が長時間にわたって繰り返し押し寄せる可能性があるということです。

山田基史津波火山防災情報調整官は、注意報が解除されるまで海には近付かず海岸から離れて決して海へ様子を見に行ったりしないよう呼びかけています。

また、すでに津波が到達している地域もありますが、津波は繰り返し襲ってくるため、第一波よりもさらに津波が高くなる可能性もあり、注意報が解除されるまでは
警戒を続けてほしいとしています。