アメリカのトランプ政権が台湾の頼清徳総統に対し、南米を訪問するためにニューヨークの空港を経由することを拒否したと報道されました。

イギリスのフィナンシャル・タイムズは28日、アメリカのトランプ政権が台湾の頼清徳総統に対し、南米訪問のために経由地としてニューヨークの空港に立ち寄ることを拒否したと報道しました。

記事は頼総統は8月にニューヨークを経由して外交関係のある南米のパラグアイなどを訪れることを計画していたとしています。

台湾の駐米代表部にあたる「台北駐米経済文化代表処」によりますと、台湾の総統府は28日、「台風被害への復旧対応などがあり、頼総統は近い将来に海外渡航をする予定はない」などとする声明を発表したということです。

頼総統が南米訪問の際にアメリカ本土に立ち寄ることについては中国外務省が「断固反対する」と表明していました。

記事は関係者の話として、「スウェーデンで3回目の米中の閣僚交渉が行われる中、トランプ政権は中国との貿易交渉を危険にさらすことを避けようとした」などと伝えています。

一方、アメリカの国務省の報道担当者は頼総統の旅程などは公式に発表されていないとして、「仮定の質問にはコメントしない」としたうえで「アメリカは『一つの中国』政策に引き続きコミットしている」などとコメントしました。