メガソーラー建設を巡って、北海道の釧路湿原が揺れています。

【調査依頼内容】

札幌在住のまりなさん(30代)
「釧路湿原のメガソーラー建設について、野生動物や自然環境の調査が行われているのか調べてください」

◆近くにタンチョウ 食い違う主張

これまでHBCでは、釧路湿原に敷き詰められたソーラーパネルの問題を取り上げてきましたが、ここにきて、新たな問題が発生しているといいます。

いったい何が起こっているのでしょうか?

・猛禽類医学研究所 齊藤慶輔代表
「私が働いている釧路湿原野生生物保護センターは国立公園に指定されている。隣接する国立公園外の区域で、大規模なソーラーパネル建設の工事が行われている。センターで飼っている鳥たちにも届く騒音を立てて、朝から晩まで工事が行われている。どんどん湿原を埋め立てる工事が行われている」


警鐘を鳴らすのは、猛禽類医学研究所の獣医師、齊藤慶輔代表です。

工事現場は、研究所からわずか300メートル。サッカー場6面ほどの広さに、6600枚のソーラーパネルが設置される計画です。

齊藤代表には、さらに懸念していることがありました。

調査員が現場を訪れると…。

・調査員
「あちらに、タンチョウの親子を発見しました」


工事現場から数百メートル離れた場所には、ヒナを連れた国の天然記念物タンチョウの親子がいます。

タンチョウを発見したのは、工事現場から500メートルほどの馬の放牧地。

・猛禽類医学研究所 齊藤慶輔代表
「今までと環境が変わることで、繁殖地として使わなくなる可能性がある。一時工事をストップして、タンチョウに影響があるかどうか見極めて、影響がないように行うのがマナー」


齊藤代表は、もし工事現場にタンチョウの営巣地があった場合、文化財保護法や鳥獣保護管理法に抵触する可能性もあると指摘します。

さらに、絶滅危惧種のキタサンショウウオも生息している可能性があると主張しています。