いちいちリアルなできごとが起こります。
『草ぼうぼうで苦情!草刈りを業者に依頼』など、「空き家問題あるある」を疑似体験できるボードゲーム「うんなん空き家すごろく」。
広島県に住む長男が雲南市に帰省するところから始まるこのゲーム、作られた目的は空き家対策です。

記者 八幡真和
「こちらが『うんなん空き家すごろく』です。空き家問題の"あるある"が、マス目のイベントになっています」

「庭がジャングル化!ご近所から苦情」
「解体費用が500万円!? 1回休み」

このほど雲南市が制作した「うんなん空き家すごろく」。
重たいテーマの空き家問題を逆転の発想でボードゲームにしたものです。その体験会が23日、市役所で開かれました。

「1マス…『草ぼうぼうで苦情!草刈りを業者に依頼』…すごいリアル!」

すごろくは、雲南市でひとり暮らししている父親の実家に、広島で暮らす50歳の長男が帰省する設定でスタート。

その後、父親が亡くなり、空き家となった実家を長男が相続。
そのなかで起こるさまざまなトラブルがすごろくのマス目に出てきます。

いわゆる「空き家問題あるある」を疑似体験しながらゲームを進め、最後は、「家を売る」「土地を売る」「自分で使う」の3通りのゴールにたどり着きます。

体験した人は
「楽しかったです。自分自身も地元から離れて暮らしているので、自分がこういう場に置かれたらどうなるのかなと想像しながらやっても楽しいかな、と思いながら楽しめました」

「すごろくって遊びですけど、内容のマス目がいちいちリアルというか、楽しいんですけど楽しめないというか、刺さるなぁと思いました」

「『相続した家どうする?』エンディングノート持ってる人は、に進む。あー、そっか」

すごろくを作った雲南市役所・地域おこし協力隊の濱田里実さん。
雲南市の「空き家バンク」の登録や
利用促進の普及啓発活動をおこなっていて、すごろく作りはその一環です。

雲南市役所 地域おこし協力隊 濱田里実さん
「皆さんわいわいと楽しくにぎやかにやって頂いて、自分ごととしてしっかり考えながら進めていただいて(すごろく作りを)やってよかったなって思います」

「たとえばこの『お仏壇の処分に迷う』というマスを作ったんですが、地域の方に『空き家にまだ仏壇が残ってる』という話をよく聞いて、売りに出したり貸したりしにくいと」

雲南市では、ここ15年の間、住宅総数はほぼ横ばいなのに対し、空き家の件数は、1.6倍に増加していて、空き家問題への対策が課題です。

そんな中、「うんなん空き家バンク」の昨年度の新規登録件数は37件。
そのうち19件が成約に至るなど、空き家と買い手のマッチングも少しずつ進んでいます。