石破総理「出処進退の話はでていない」 どういうこと?
―――自民党幹部は7月23日午前、8月中に取りまとめる予定の党の参院選敗北の検証結果を待ち、石破茂総理が退陣するとの可能性を示唆。しかし23日午後3時30分ごろ、石破総理は会見で「私の出処進退については一切話はでていない。報道されている事実は一切ありません」と話しました。武田さん、これはどういうことでしょうか?
武田一顕氏「自民党の幹部に聞くと、石破さんはもう腹をくくった、8月中に退陣表明をすると。なぜ8月中かというと、8月1日がトランプ関税の交渉の期限だった、6日と9日が原子爆弾が投下された日、8月15日は終戦記念日。そして20日からアフリカ開発会議があるので、そのあたりまではやらせてくれと言ってきたと。23日、『8月中に退陣表明』という報道があったんですが、石破総理は歴代総理との会談を終えた後『報道されているような事実は一切ありません』と辞任を全面否定したそうです」
―――実際にはそういう話が進んでいるという見立てで間違いはない?
武田一顕氏「おっしゃる通りです。秋の臨時国会まで石破さんが持つことはないだろうと。その前に退陣となって自民党総裁選になるだろうという見立ては変わってないんですけども、23日の報道では石破さんが退陣へと言ったのに、実際には石破さんがその退陣について一切を否定した。なおかつ、3人の総理経験者との会談の中で、出処進退については一切話が出ていないという、これもちょっと信じられない話ですよね。当然、出処進退が一番焦点なわけで、なおかつ1時間以上話してたわけですから、まったく出ていないのもなかなか考えられない。ここをどう乗り切ったのかは、もう少し詳しい話が出てこないとわからない」
「石破さんも森山裕幹事長も、ここで辞めて総裁選をやってもいいけど、自公両党は衆議院で過半数割れをおこしていますから、新しい自民党総裁が総理大臣になれるかはわからないわけですよね。したがって、ここでどんなに泥をかぶっても頑張るしかないというのが石破さんのマインドだった。実際には秋までに石破さんが退陣するのは不可避。つまりもうキョンシーみたいな状態なわけです。実際には死んでいるけど一生懸命頑張っているようなキョンシー政治を今やっている」
「石破さんの側近に聞くと、辞めろと騒いでいるのは旧安倍派の人や去年の総裁選で高市さんを支持した人で、石破さんを潰しにきているんだと。そのために石破さんを守らなきゃいけないという人もいるんですよね。そのせめぎ合いで、自民党の中で混乱とカオスがグシャグシャになっている状況。これから国会も巻き込みながらどうなるかはまったく誰にも読めない」