宿泊施設側も被害に…トラブルの背景には「代理業者」の存在?

トラブルにあうのは、客側だけではありません。

熊本県にある旅館では4月ごろから、旅館側と宿泊客で予約内容に対する認識が異なるケースが相次いでいるといいます。

旅館が確認すると、「1泊夕食付き」で販売していたプランが、アゴダでは「1泊2食付き」プランに無断で変更されていたことがわかったのです。

旅館のスタッフ
「1泊夕食の料金しか貰っていないのに、朝食を無料で負担するという費用面の部分。勝手に内容を変えて販売して、責任をとらないというのはどうなのかなという疑問はある」

アゴダは、シンガポールの企業が運営する旅行予約サイトです。世界600万軒以上のホテルなどを予約することができます。

なぜトラブルが相次いでいるのでしょうか?

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏
「基本的には、代理業者が間に入っているケースで予約のトラブルが発生しているという状況」

アゴダでは、“宿泊施設と直接契約し空室情報を掲載するパターン”と、“宿泊施設とアゴダの間に旅行会社などの代理業者が入るパターン”があります。鳥海氏は、トラブルの背景に代理業者の存在を指摘します。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏
「悪質な業者は、実際に部屋を持っていないのに持っているように見せかけて、その後に部屋を探す。場合によっては部屋を探さないというケースもある」

記者が試してみると、なかにはこのようなケースもありました。

記者
「アゴダのサイトで、宿泊施設の検索欄に『星野リゾート』と入れると、全国の星野リゾートが表示されます」

国内外に約70のホテルを運営する星野リゾートは、アゴダと契約していません。勝手に空室情報が掲載されているとみられます。

さらに、公式サイトとアゴダで掲載されている料金を比較すると、約4000円高くなっている日もありました。

この状況に、星野佳路代表は自身の「X」に「AGODAで予約した方が到着し、お部屋を確保できないケースが頻発している」「AGODAのシステムには何らかの問題がある」と投稿しています。