事実上の政権選択選挙となった参院選。徳島・高知選挙区では、無所属の現職に、自民党を含む3人の新人が挑んだ構図で、野党の支援を受けた広田一さんと、自民党の要請を受けて出馬した大石宗さんの「実質、一騎打ちか」というのが、公示前からの見立てでした。

全体としては、衆議院で少数与党となった自公政権が、参議院で過半数を維持できるかが焦点で、重要な選挙区となっていたのが与野党の議席数に差がつく1人区。そのうちのひとつが、徳島・高知選挙区です。

吹き続けた自民党への“逆風” 高知県連は「早期退陣」申し入れへ

全国32の1人区で、自民党は14勝18敗と負け越し、自民党と公明党をあわせた獲得議席は47となりました。

2024年の衆院選に続き、参議院でも与党が過半数を割り込むことになり、石破総理は21日、会見で「痛恨の極みだ」と述べましたが、続投の意思を表明しました。

選挙区によっては、自民党の現職を野党候補が破って議席を増やしたところもありました。その背景にあるのが、公示前から吹いていた自民党への逆風です。

もとをたどれば、裏金問題をうけての衆院選の大敗に始まり、総理が新人議員に商品券を配っていた問題、前農水大臣の発言、応援演説での能登半島地震に関する発言など、その逆風をさらに強くする出来事も、次々と起こりました。

破れた自民党の大石さんも「自民党は変わらないといけない」と「政治刷新」を掲げて選挙戦を戦いましたが、およびませんでした。

また、今回の選挙結果を受け、自民党高知県連は、党本部に対し「石破総裁は早期に退陣すべき」という申し入れをすることを決めたということです。