きょう発表された6月の全国の消費者物価指数は去年に比べて3.3%上昇しました。7か月連続で3%台の高い伸びに、参院選で各党が訴える対策は実効性があるのでしょうか。家庭、そして食料生産の現場から考えます。

小6の息子を育てる 室井かなえさん
「手でいっちゃう?4つ?3つ?ママ1個で大丈夫」

小学6年生の子どもを育てている室井さん。夕食に並んだのは、茶碗に入った白米ではなく、冷凍の焼きおにぎりです。

小6の息子を育てる 室井かなえさん
「はい、どうぞ食べてください」

コメなど食品の価格高騰が続く中、冷凍食品を安く買い、節約につなげています。

小6の息子を育てる 室井かなえさん
「地元のスーパーで(冷凍食品の)半額デーをやるので、普通の値段で買うと高いものは高い。1回、手に取って考えちゃいますよね」

参院選で各党が訴える“物価高”対策。

石破総理(今月13日)
「給付もやって、困っている人に早く手厚い支援をしたい」

立憲民主党 野田佳彦 代表(今月3日)
「責任ある減税を果たしていきたい」

▼自公の与党は1人あたり2万円を軸とした給付。一方、野党は消費税廃止や減税を訴えるほか、▼立憲民主が2万円、▼れいわ新選組が10万円の給付を掲げています。

「給付」や「消費減税」は、“物価高”を解消できるのか。

小6の息子を育てる 室井かなえさん
「(給付で)お金がもらえるのはありがたいが、長い目で見た時に一時的な、その場しのぎになってしまう。もし減税したとしても、財源的なものはどこなのか」

一方、食を作っている農家は“物価高”の波は収まらないと肌で感じています。

照沼農園 照沼洋平さん
「暑さでこんな感じで、レタスじゃなくなってしまう。もう花が咲くので」

6月からの記録的な暑さで、丸い形に成長するはずのフリルレタスは、茎が細く伸びて出荷できない形に。アスパラガスも曲がって生えています。さらに、コメも…

照沼農園 照沼洋平さん
「手を入れていただければ、温かいのかなと思う」

「お湯ですよね。温かい」

計測してみると、曇りでも32度と高めの水温に。晴れた日は“風呂並み”の40度を優に超え、コメ作りに適さなくなるといいます。

照沼農園 照沼洋平さん
「高温に強い品種をうちは選んでいるが、それでも去年あたりから(コメ粒が)濁ってしまっている。今まで作れていたものが作れなくなってくると、値段も上がる」

実際に生鮮食品も含む家計の今年度の食品負担額は、前の年度より5万円以上増えるとの試算も。背景にあげられているのは、円安や気候変動です。

しかし、こうした要因を抑える政策の議論は置き去りになっています。

小6の息子を育てる 室井かなえさん
「私達みたいな一般消費してる人たちにも届くような政策があるといい」

参院選はあさって投票日を迎えます。