16日の福島県内は、暖かく湿った空気の影響で気温が上がり、会津若松で34.2℃など、県内30地点のうち11地点で30℃を超える真夏日になりました。このところの暑さで影響を受けているのが、収穫の時期を迎えているピーマンです。

さくら彩園・黒羽実樹さん「今年は最初寒くて、高温になって、やっぱり毎年違うなと思います」
ピーマンが特産の三春町とその周辺では、猛暑と水不足の影響で、例年と比べ収穫量が大きく減っています。今年、共同で会社を立ち上げた黒羽さんと橋本さんの農園では…。
さくら彩園・橋本剛さん「これは水不足、日照りでちょっとピーマンに養分が足りなくなっちゃって、どうしてもこういう『尻ぐされ果』っていうのが出ちゃう感じですね」

収穫当初は、お尻が黒っぽくなる『尻ぐされ』で、大きな影響があったといいます。
橋本さん「収穫量の半分ぐらいが『尻ぐされ果』になっちゃいまして、収穫したやつほとんど廃棄するような感じでした」
27アールと大きな規模でピーマンを栽培している橋本さんたちの農園ですが、ほかの農家に比べて、まだ影響は少ないそうです。三春町や周辺のピーマンが集まるJAの選果場は、6月後半から動き出しましたが、これまでの出荷量は去年を大きく下回っています。

JA福島さくら・駒木根靖生さん「昨年は今頃コンテナ(10キロ)でだいたい700とか出ていたが、現在は400コンテナ前後という形で、だいぶ量的には少ないかなと」
福島市公設地方卸売市場によりますと、15日のピーマンの取り引き価格は、1キロ689円と、去年の同じ時期と比べおよそ150円高くなっています。こちらの選果場に集まったものは、おもに関東や県内に出荷されますが、この状況で当面高値の傾向が続くとみられています。
橋本さんたちの農園では、水を供給するエンジンポンプを早くから導入し、1日5回ほど水を流し対応にあたっています。ガソリンの高値など、農家を取り巻く状況は厳しいものの、生産農家の仲間同士で情報交換しながら注意を払っているという橋本さんたち。夏本番を前に、気が抜けない状況が続きそうです。
