「自分たちが努力しなければ、平和は来ない」
次の世代への継承が課題となっている、遺骨収集事業です。だからこそ秀平さんは、いまを生きる若い世代に命の尊さを訴えます。
(秀平良子さん(84))
「自分がしたければ、自由なことができるわけじゃないですか。でもこうして赤紙一枚で出ていかなければいけなかった人たち。死ななければいけなかった人たちのことを考えたとき、平和ってどれだけ大切なものなのか」
「自分たちが努力しなければ、平和には、黙って時に流されていたら平和は来ないんだって」

ついに、ニューギニア島での遺骨収集が始まる
昨年5月、秀平さんの長年の願いが形になりました。インドネシアとの間で遺骨収集の協定が結ばれ、父親が亡くなったニューギニア島での活動が始まったのです。
現地の人とも心を通わせ、活動をともにしています。

(秀平良子さん(84))
「この土地には、血も肉も父のはここに、この国にありますよって。住民の人たち、そこの土地の人たちにもそれを言って、皆さんそうやっていうとワーッと寄ってきて一緒にハグをしたりする」
「そういう、伝えられる心のつながりというのは、戦争の経験はないけれども、一番肉親としての近いつながりがあるから、もう少し頑張らないといけないのかな」

かつて、母親とともに慰霊に訪れたインドネシア・マノクワリ。来年1月にはこの地で父の遺骨を探したいと秀平さんは語ります。

(秀平良子さん(84))
「お骨がどんなのかは分からないですけど、でも探したよっていうのはあの世に行ったときに父に胸張っていいたいなと思って」
「大きな声でここにいるよって返事をしてね。行ったら!」

母親と同じ場所で、父親を安らかに眠らせてあげたい。秀平さんの海を越えた思いは続いています。