愛媛県が発注した公共工事の入札をめぐり、非公表の価格を業者に漏らし落札させたなどとして、官製談合防止法違反などの罪に問われている元県職員の男ら4人に、松山地裁は15日、いずれも執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

判決を受けたのは、県中予地方局河川砂防課の元課長・鈴木俊博被告と、久保建設の元社長・久保陽生被告と従業員の大西聖被告、それに鈴木被告の元上司宮崎裕文被告の4人です。

判決などによりますと、鈴木被告は県久万高原土木事務所の建設課長だった、去年2月と3月に実施された県発注工事の入札をめぐり、非公表の価格を宮崎被告を通じて久保建設に漏らし、落札させたということです。

松山地裁で開かれた15日の判決公判で、渡邉一昭裁判長は「入札の公正を害する悪質な犯行」と指摘。
また、鈴木被告については「かつての上司の依頼に安易に応じた意思決定は厳しく非難される」と述べました。

一方で、いずれも「罪を認め、謝罪の弁を述べている」などとして、鈴木被告と久保被告は懲役1年6か月、宮崎被告と大西被告が懲役1年、全員に執行猶予3年の判決を言い渡しました。