今回解明されたメカニズム 発症予防の「塗り薬」も

今回、東大チームなどの研究で、卵などの原因物質が皮膚から入り込むと、体内で「PGD2」という物質ができ、この物質が免疫細胞を刺激し抗体を増やす働きをすることが分かりました。

マウスの実験で、この「PGD2」を抑える薬を皮膚に投与するとアレルギー症状が抑えられたという結果も出ています。
村田准教授は、「将来的に赤ちゃんの皮膚につける薬を実用化して、アレルギーの発症予防に役立てたい」としています。
村田幸久准教授:
「赤ちゃんの皮膚を保湿して守ってあげましょう」というのは以前から言われていました。
でも抗原が入ってしまうリスクはゼロではないですよね。皮膚に抗原が入ってしまったときに出るシグナルを私たちが見つけたんですが、これがプロスタグランジンD2(PGD2)というものなんです。
皮膚をバリアで守り、かつ入ってきたとしてもこのPGD2のシグナルを薬で抑えていれば、更なる予防に繋がるんじゃないかというところが私達の発見です。
これを今後実用化して、皮膚の塗り薬として予防に役立てるようなものを作りたいと思っています。
コメンテーター 渡辺満里奈:
それで守れる薬ができたら、安心できますよね。
赤ちゃんってすぐに肌荒れしちゃったり、カサカサになっちゃったりするので。
弁護士 八代英輝:
この薬によって、将来的に例えば「そばアレルギー」の子がそばを食べられるようになったりというところまで期待できるんでしょうか?
村田幸久准教授:
今は予防の話をしてますけども、抗体にはある程度サイクルがあります。ずっと一生残るものではないので、予防と言いながらも、皮膚をちゃんと守ることで少しずつ抗体が減っていくような結果は動物では出ているんですよね。
それが人に適用できるかは今後検証していって、治療にも役立てれば、非常に理想的だと思っています。
(ひるおび 2025年7月14日放送より)
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<プロフィール>
村田幸久氏
東京大学大学院 農学生命科学研究科准教授
“世界初”肌からの食物アレルギー その発症メカニズムを解明