徳田さんが「赤ちゃんサロン」を開設した理由

昨年、このサロンを開設した徳田智美さん(40)【画像③】は、岡山市内のクリニックに勤務する助産師です。サロンを開設したのには理由がありました。
(徳田智美さん)「失礼します」
徳田さんは助産師歴17年。これまでお産のサポートを行ってきたほか、赤ちゃんや母親の体調の変化など、様々な相談にも乗ってきました【画像④】。

出会ってきた「産後うつ病」に苦しむ母親たち
その中で、産後に不調を訴える多くの母親と出会い、ケアの必要性を強く感じるようになっていったといいます。
(徳田智美さん)
「妊娠して、出産することがまず一つの大きなゴールではあると思うんですけど、そこからがまたすごい大きなスタートだと、私の中ではイメージがあって」
「産後のお母さんが2週間検診に来たとき、暗い表情をしていたり、話し出すと涙が出たり、出産したあとのお母さんへのサポートっていうのは、すごくしたくなったというか、必要性を感じるようになりました」
日本産婦人科医会によりますと、出産した母親のうち約10%が気分が落ち込むなどする「産後うつ病」になっているといいます。主な要因は出産後のホルモンバランスの変化。
このほか、家族のサポートが十分に得られない、相談できる人がいない、といった周囲の環境も大きく影響するとされています。
徳田さんが勤務するクリニックには人員の関係もあり、産後の母親をサポートするプログラムがなかったため、自身の手で支援する場を作りたいと勤務先の了承を得た上でサロンを始めたのです。
「頼れる人が周りに少ない時代」だからこそ
(徳田智美さん)
「近所の方とかの付き合いもちょっと希薄になってきたり、昔では家族に頼ったり、近所の方に頼ったりして育てていってたと思うんですけど」
「そういうのもやっぱり薄れつつあるなかで、やっぱりこういう場所を増やしていくことって必要なのかなっていう風に思っています」