2029年度に開設予定の第32軍司令部壕の展示施設について県は検討委員会を開き施設の方向性や展示テーマについて意見を交わしました。

旧日本軍が首里城の地下に構築した第32軍司令部壕は、多くの住民の犠牲につながる「南部撤退」などの決定が下された場所で、県は、ことし3月、保存・公開に向けた基本計画を策定しています。

10日に開かれた委員会では、整備を検討している展示施設について、学校教育向けと一般来訪者向けの展示が両立した施設を目指すことや、司令部壕の実相を伝えるため壕内の遺物や証言の展示に加え、VRなどの先端技術を活用する方向性が示されました。

これに対し、委員からは、展示施設だけでなく周辺の戦争遺跡も含めて紹介する必要性や南部一帯に広がった戦場の惨禍を理解する起点になる場所として住民目線での展示に重点を置くべきではないかなどの意見があがりました。

玉城直美 委員
「世界の人から見たときに、これが一体何なのかということを、ちゃんとメッセージ性を表していかないと、沖縄からの平和発信ということにつながらないのではと思うので、まずはメッセージ性をもってほしい」

展示施設は司令部壕の近くにある県立芸術大学のキャンパスの一部が候補地となっていて、2029年度の開設を予定しています。