盛岡市出身の「平民宰相」原敬が残した「原敬日記」から当時の事件や災害についての記述を集めた企画展が、盛岡市の原敬記念館で開かれています。

この企画展は今年、原敬が「原敬日記」を書き始めてから150年目にあたることを記念して行われているものです。
会場には濃尾地震(1891年)や盛岡市大洪水(1910年)、米騒動(1918年)や日清戦争、日露戦争などについて原敬が日記に記した部分や、関連する資料など168点が展示されています。

盛岡市大洪水の際、帰省で盛岡に滞在していた原敬はその被害を目の当たりにし、「洪水は二百四五十年已来ノ洪水トノコトニテ市中ハ惨状ヲ極メ、中津川沿岸最モ惨害ヲ醸セリ」とその様子を日記に残しています。

また「米騒動」については「先般中ヨリ米価暴騰ノ為メ各地二騒動アリ、軍隊ノ出動マテ之アリ」と日記に残しており、米騒動を鎮圧するために軍隊が出動したことが分かります。
さらに原は政府が米価を安定させるために、様々な手を打ったが、ことごとく失敗し米価を高騰させてしまった、このことが米騒動の発端となったと政府を批判しています。

原敬記念館の佐々木章行主任学芸員は、「原敬日記は硬い内容の日記と思われがちだが、災害にしても、コメ問題にしても、ロシアをとりまく国際情勢にしても、今と変わらないことが書かれている。是非、原敬日記の内容に触れ、今の社会に対する考え方のヒントにしていただければ」と話していました。

この企画展は8月17日(日)まで開かれています。