太平洋戦争突入を回避すべく尽力したり、戦後処理にあたった盛岡市出身の総理大臣で「最後の海軍大臣」米内光政の手紙を集めた企画展が盛岡市で行われています。

盛岡市の盛岡てがみ館では、戦後80年を記念して、盛岡市出身の「最後の海軍大臣」米内光政を特集した企画展を開いています。

会場には米内光政が残した手紙24点のほか、写真や書籍など関連する資料44点、合わせて68点が展示されています。

特に目を引くのは米内光政が兵学校時代の同期で親友の荒城二郎(海軍中将)に宛てた手紙の数々です。

荒城二郎に宛てた手紙「国際関係は段々むつかしくなるな、当局者にもっとしっかりしてもらいたい」と書かれている。

太平洋戦争直前、次第に右傾化し、戦争へ進みつつある日本の政界のことを憂いたり、日独伊三国同盟について反対したり、親友だからこそ話せる率直な気持ちが手紙の中に記されています。

荒城二郎に宛てた手紙「現内閣に対し兎角の批評あるハ固より百も承知なり いざとなればウント頑張ってみようと思う」と書かれている。

また、総理大臣に就任した時に荒城に送った手紙では「現内閣に対し、兎角の批評あるハ固より百も承知なり いざとなればウント頑張ってみようと思う」(陸軍が非協力的であることは知っており、大変なのは知っているが、頑張ってみるつもりだ)と意気込みを語っています。

盛岡てがみ館の中野千恵子学芸員は「軍人でありながら、ぶれずに不戦を主張し続け、戦後処理にも全力を尽くした米内さんの生きざまを、数々の手紙を見て感じていただきたいです」と話していました。

この企画展は10月6日(月)まで行われています。