霧島連山の新燃岳は、7年ぶりの噴火から6日でで2週間が経ちました。
6日は大量の火山灰やガスが火口から流れ下る様子が見られました。

こちらは、6日午後、鹿児島県霧島市から撮影された新燃岳の様子。
大量の火山灰やガスが火口から流れ下る様子が確認され、火山地質学が専門の鹿児島大学の井村隆介准教授は「火砕流が流れた」とみています。

そして、7日午前、JNNの取材ヘリが新燃岳の様子を上空から撮影しました。

(鹿児島大学・火山地質学 井村隆介准教授)
「今さかんに火山灰交じりの噴煙を上げている火口の列が見られます。これは、私が6月30日に上空から観察したときにはなかった火口列ですので、7月以降に連続噴火の途中で開いた火口と考えられる。最初の北側に開いた火口からでは足りないので、ここに新たな火口ができたと考えると、ちょっとやっぱり活動的な状況、より進展しているかなという感じは個人的には受ける」

また、火砕流が流れたとみられる場所については。

(鹿児島大学・火山地質学 井村隆介准教授)
「さっき、赤外(線)のカメラで撮ったら、この部分、温度が高くなっています。表面の温度が50度以上になっていると思いますので、噴煙自体もかなり温度があった状態でここを流れた」

新燃岳では、27日に観測された噴火が継続していて、今月3日には、噴煙が火口から5000メートルの高さまで上がりました。

九州大学地震火山観測研究センターの松島健教授は、新燃岳に特に大きな変化はないとしつつ、今後の見通しについてはいくつかのシナリオが考えられるとしています。

(九州大学地震火山観測研究センター 松島健教授)
「マグマが上昇してきて、火口から噴出する可能性、2011年のように溶岩流になってまた流れ出したりすることもありますし、溶岩流が蓋をすると、ブルカノ式噴火と言われるが、石を飛ばしたり空振動でホテルのガラスが割れたりっていうことは2011年にあったが、そういうようなことが発生する可能性もあるかと思います。」

このほか、火山ガスの量も注視する必要があると話します。

(九州大学地震火山観測研究センター 松島健教授)
「マグマの、いわゆる上昇してくる原動力というのは浮力と言って、いわゆるマグマに含まれている火山ガスがマグマを浅いところまで上昇させるが、それが抜けてしまえば、マグマが逆に上昇しないでそのまま溜まってしまって終わってしまうってことも十分ある」

気象台は、火口からおおむね3キロの範囲で大きな噴石などに警戒を、また、爆発による空振で窓ガラスが割れるなどの被害が出るおそれもあるとして、注意を呼びかけています。