肌荒れNG 自己肯定感キープに欠かせない習慣は?

今回、取材をする中で、一度も聞かなかった「リア充」という言葉。10年ほど前までは頻繁に聞かれたが、デジタルネイティブ世代の若者にとってはすでに、「ネットの自分」と「リアルの自分」は境目がなく、完全に地続きだ。
とはいえ、SNSにアップするのは、どちらかと言うと「経過」よりも「成果」。“映え”を意識しがちなネットに対し、リアルでは、地道なセルフケアや人前では見せない“訓練”など、日々努力している若者も多い。
カップルでデート中だった都内の大学生男性(22歳)は、普段からファンデーションやリップなども自然にするというメイク男子。「朝、ヘアセットとかメイクとかがうまくいって、鏡で『あ、俺かっけえ』って思った瞬間に自己肯定感が上がります。それを下げないように、食べ過ぎた次の日はあまり食べないとか、体型維持は心がけています」と話す。
自己肯定感にとって、「外見」を保つことは、重要な手段の一つ。自分が気に入る状態の肌や髪、ファッションでいられるかどうかが、“自分好き度”のアップダウンも左右する。
都内の大学2年生の女性(20歳)は「面倒くさくても、お肌のために毎日メイクは絶対に落とします。肌荒れすると自己肯定感が下がるので、きれいにしていたい」と、習慣づけることで美肌をキープしている。好きな人や推しのために自分磨きをするのも、自己肯定感を高める方法として多く聞かれた。
見た目のほかにも、学生ならではのこんな「自分磨き」もある。都内の高校2年生の男性2人組は、同じ高校で共に野球部に所属し、ポジションも同じピッチャーという友達同士。自己肯定感が上がるのは、二人声をそろえて「野球をしている時」。
「大会で投げて、ピンチの場面を抑えて球場がワッと盛り上がった時とか」と一人が語れば、「やっぱり試合でうまくいった時はいい気分になるし、自己肯定感が上がる感じがします」と、友人も隣でうなずく。
好きな人や物事に向き合うと、無理せず自然体の「自分らしさ」が発揮され、自己肯定感だけでなく、自己効力感も上がる好循環。ネットとリアルが地続きと言えど、「リア充」でしか得られない“自己肯定”のベースが、そこにある。