承認欲求は「程よく」がコツ 未然に防ぐSNS依存

SNSの存在が当たり前になったからこそ、Z世代はさらにその先の罠や“依存性”のリスクにも、気付いている。外からの承認にこだわりすぎると、無理に自分を飾ったり、反応がなければ、逆に自己肯定感の低下につながったりもしかねない。
話を聞いた若者の中には、フィルターや加工なしの写真で“リアルな”日常を共有するのが特徴的なSNS「BeReal」などを例に挙げ、「気分が下がりそうなときは見ないようにする」と答える人も。他との比較で落ち込むのは、自分を下げる典型的な一例。先手を打って、明確に回避するのが、令和の“自己防衛”手段だ。
「家から一歩も出ない日とかに『BeReal』を見ると、自分は何をしているんだろうって思っちゃうから、何もできなかった時とかは見ないようにしています」(19歳・女性)、「SNSでかわいい子を見て、自分と比べちゃって、『はぁ…』みたいな」(17歳・女性)などの声が。
「これから美容院に行く」と渋谷に訪れていた、都内の大学に通う20歳の男性は「SNSを見ていると、就活生なので『これ来月までにやっていないとやばいよ』みたいな情報が流れてくる。学歴で悩んでいる時も、ネットだと情報も過剰に書かれていることが多いので、見ないようにしたり…。見たとしても、とりあえず気にしないようにしています」と、SNSへの“耐性”が身に付いているようだった。
見方によって、ポジティブにもネガティブにも転ぶSNS。“ポジティブ”目線では、「身近な感じのJK(女子高生)のTikTokとかを見て、自分に合いそうなメイクや服とかをまねしたりすると、自己肯定感がめっちゃ上がります」(17歳・女性)、「かわいい女の子とかK-POPアイドルの子とかの動画が流れてくると、テンションが上がります」(15歳・女性)と、投稿を楽しんでいる。
デジタルネイティブならではのSNSの“トリセツ”は、「適度な距離感」が大きな鍵。気分や目的によって、SNSを器用に使いこなしているようだ。