“警察”や“検察”を名乗る男からの電話で「詐欺事件に関係している」などと言われ、80代の女性が1900万円をだまし取られていたことがわかりました。女性は男に指示されるまま、携帯電話を買い替えさせられるなどしていました。

高知県警によりますと、6月中旬、高知市に住む80代女性の自宅の固定電話に、“警視庁捜査二課クドウ”を名乗る男から電話がありました。男は女性のフルネームを知っていて、「詐欺事件の捜査をしている。あなたの口座に1000万円が振り込まれていて、あなたも事件に関係にしている可能性がある。捜査して無実を証明したい」などと話したということです。

その後女性は、“警視庁捜査二課クドウ”や“東京地検キムラ”を名乗る男とも電話やメッセージアプリでやりとりし、定期預金の解約を指示されます。そこで理由を聞かれた場合は「家の修理や体の治療でお金が必要だと説明するように」と言われたということです。

女性は指示通り、A銀行の定期預金を解約して、現金を別の銀行(B銀行)の口座に移しましたが、“警視庁のクドウ”から「さらに別のC銀行の方が金利が良い」と言われ、合計で1900万円を、新たに開設したC銀行の女性名義の口座に振り込んだということです。

そして女性は“警視庁のクドウ”に指示されるまま携帯電話を操作しているうちに、最終的に相手の口座に1900万円が振り替えられ、入金されていたということです。

女性は、男らとの一連のやりとりの中で、持っていた高齢者向けのスマートフォンを、一般的な機種に買い替えさせられていました。

2025年、高知県内で発生した特殊詐欺事件は52件で、被害総額は3億円を超えています。

高知県警は「警察官が、アプリのトーク機能でやりとりすることや、預貯金口座の開設、携帯電話の新規契約を指示することはない。“警察”を名乗る人物に『捜査対象になっている』と言われた場合は、電話を切り、警察総合相談電話『#9110』に相談してほしい」としています。