トレーニングを再開した与那覇さんは引退から2年後、「全国社会人オープン」で15回目の日本一を勝ち取りました。

与那覇竜太さん
「やりたいことに対して苦しいことも乗り越える。できないと思っていたらできないし、やんないとできないし。まずできると思ってやってみるっていうところ、その力、できると思う力とやってみる力はめちゃくちゃ付いているな、周りと比べても」
レスリングで培った精神力は、社会人になって生かされました。
大学卒業後は、慶応大学院に進学しコンサルタント会社を経て独立。現在は東京と沖縄を拠点に、企業の採用や組織作りをサポートしています
組織作りに携わる理由も実はレスリングの経験から。

与那覇竜太さん
「レスリングでは15回日本一になったんですけど、一番うれしかったのって高校3年生の時の団体戦で優勝したとき、自分が勝つことじゃなくて、勝った先にみんなと喜びを共有できることが大事なんだなって。自分が関わったことによって人とか組織が良くなるとか、達成感を得る、成功に導ける、そういう人間になりたいなって思っていて」

屋比久 保 監督
「これだけ切り替えて努力して慶応に行って勉強して、今の地位をこの若さですよ、会社立ち上げるっていうのは、ぼくは『マットの上に進路が転がっている』ってのは間違っていないと思います。人生のメダルを獲ると思います」

与那覇竜太さん
「また具体的な成果を報告ができるように頑張っていきますので、よろしくお願いします」
レスリングをすることで得た努力や挫折、喜びを、今の力にして与那覇さんはこれからも愚直に挑戦を続けます。
【記者MEMO】
高校時代、沖縄で初めて団体戦で日本一に輝く快挙を達成した与那覇さん。
同期には21年の東京オリンピックで銅メダルを獲得した屋比久翔平選手がいます。
叶った夢、叶わなかった夢はそれぞれありますが『努力した日々は人生の宝になる』。そんなことを感じさせてくれた取材でした。