きょう11月11日は、「もやしの日」です。一般的なモヤシは大豆を発芽させたものですが、津軽地方では古くから、そばの実を発芽させた「そばもやし」が栽培されてきました。生産者は少なくなりましたが、青森県平川市ではいまも伝統を守り栽培されています。

青森県平川市で廃校になった小中学校を活用したこちらの施設。薄暗い部屋で栽培されているのは…津軽の伝統野菜・そばもやしです。

そばの実を発芽させたそばもやしはもともと、大鰐町で盛んに作られていましたが、栽培農家は減り、姿をけしつつありました。

そのなか、立ち上がり約10年前から栽培に取り組んでいるのが、大鰐町出身で現在は平川市に住むあすなろ理研の顧問・木村諄光(きむら・たしみつ)さんです。

※あすなろ理研 木村諄光顧問
「私は大鰐で生まれましたので子どものころからそばもやしの存在は知ってました。ただ、そばもやしがここにしかないというのは知らなかったのでぜひとも後世に残さなければという意思がだんだん強くなりました」


そばもやしは、150グラム300円ともやしとしては割高ですが、シャキシャキとした食感で生でも食べられることから根強い人気を誇ります。

今は光があたって変色しないようにするための包装紙など資材の高騰が悩みの種となっていますが、木村さんは値上げをせずにこれからもこだわりの逸品を提供したいとしています。

※あすなろ理研 木村諄光顧問
「大鰐で生まれた真っ白なそばもやしは、日本全国ここにしかない。昔からの青森県の食べ物の文化を私たちは守り続けていくつもりです」

独特の食感が楽しめるそばもやしは、個性豊かな津軽の伝統野菜としてこれからも受け継がれていきます。