かつてJR一ノ関駅前にあったこけし店の親子が収集してきた、昭和の伝統こけし約400点を集めた企画展が一関市で開かれています。

かつて、一ノ関駅前にあった「尾張屋こけし店」はこけしを中心に、民芸品や土産物などを販売していました。
「尾張屋こけし店」店主の横地省三さんはこけしへの思い入れが深く、研究者やコレクターからも一目置かれる存在でした。
省三さんの息子、横地儀房さんはお店を継ぐことはありませんでしたが、コレクターとしてその魂を引き継ぎました。

この企画展では、横地さん親子が集め、令和6年に一関市に寄贈された400点あまりのこけしが並びます。
こけしは東北の各地で製作されているものですが、「伝統こけし」と呼ばれるものは「津軽系」「南部系」「鳴子系」「山形系」など12系統があり、それぞれに頭の形や顔、胴体の太さ、模様などが異なります。

会場にはこの12系統が比較できるように、それぞれのこけしが並べられています。
また、一関市ゆかりの工人(職人)の作品のコーナーもあり、その中でも宮本永吉さんが製作したこけしは素朴な顔つきと、赤一色で描かれた胴の模様が「楓の葉」や「菊の花」のようで美しいと高い評価を得ています。

一関市博物館副館長の大衡彩織さんは「昭和から現在まで、3回の『こけしブーム』がありました。古くから人々の心をとらえ、愛されてきたこけしの魅力に触れていただきたいです」と話していました。

この企画展「Oこけし店主 Y氏の愛した昭和のこけしコレクション」は8月17日(日)まで一関市博物館で行われています。