米価格「いいところに着地してほしい」

コメをめぐっては、随意契約の備蓄米が店頭に並び出したことを受け、価格に変化が生まれています。6月22日までの1週間、5キロあたりのコメの全国平均価格は3835円と1か月で600円近く下がりました。中でも九州・沖縄地方は3640円と全国平均よりも安くなっています。

備蓄米の流通を受け、大分市の米穀店では客の動向に変化が現れました。

山川米穀店 山川富弘さん:
「私たちのところに『コメをください』という人が3割ぐらい減りました。ペースを取り戻して助かりました。いまは仕入れにエネルギーを使っています」

ただ現状は、取引のある客のニーズに応えるのが精一杯で、新規業者の購入を断る状況が続いているといいます。さらに8月中旬の早期米から始まる新米シーズンについて、価格がどのように推移するか見通せないのが実情です。

山川米穀店 山川富弘さん:
「高い、安いのせめぎあいじゃなくて、いいところに着地してほしいのが自分たちの気持ちです。上乗せして買っても、日本のコメは安心して食べられるからいいよねって、全消費者にそうなってほしい」

コメ作りは物価高により、生産コストが上昇。さらに今年は統計開始以来、最も早い梅雨明けとなり、今後の暑さや雨不足も心配され、生産者は不安を抱えた状態が続いています。

ジョイライス大分 和田幸太社長:
「農業はやっぱりなくなってはいけない。なかなか後継者不足で作り手もいなくなっているなかで、やれる範囲で続けていきたい。コメを主食に、みなさんにたくさん食べてもらいたいです」

持続的に農家が生産でき、消費者が購入できる適正価格はどこなのか。コメを取り巻く環境は、いまも不安定なままです。