パターン3「鼻水が出るけど、多分、花粉症」
私自身も花粉症なので、2~4月には「自分自身鼻水が出ているけど、人に不快な思いをさせていないか、コロナだと思われていないか」、逆に「初めて会う方が鼻水が出ていても本当に花粉症なのだろうかコロナなのだろうか」。その辺がはっきりとわからないということがありました。それこそ、鼻水は喉にも繋がってくるところですけど、倉持先生、ここはどう考えますか?

倉持医師:
ちょうど今、スギ花粉が出始める時期と一致していますので、やはり本来であれば、検査が受けられれば一番好ましいと思うのですが、一方で、なかなか検査ができないという状況がある場合には、まずきちんと薬を飲んだり、あるいは、風邪の可能性があるかもしれないということを就業先に伝えて、もしコロナであっても、就業先で感染拡大しないような措置をとりながら就業、就労するといった対策が有効だと思います。

ホラン千秋キャスター:
ただ花粉症は1週間ほどでおさまるものではないと思うので、そうすると数か月にわたってどれくらいの頻度で検査をしたらいいのか。定期的にし続けた方がいいのか。かなり難しいバランスなのかなと思うのですが。

倉持医師:
おっしゃる通りだと思います。今回のオミクロン株は感染してから発症するまでの期間が非常に短いので、最初に症状が出たときは、できれば複数回検査を受ければいいと思うのですが、その後、薬を飲んで落ち着いているならば、そんなに検査を受ける必要はないと思われます。何か変わったときには受けられるなら受けた方がいいということです。

南波キャスター:
さらに次の疑問です。

●パターン4「薬局に抗原検査キットしかない」
PCR検査を受けようと思って、キットを買いに行ったが、抗原検査キットしか残っていない。この場合はどう考えますか?

倉持医師:
医学的には、PCR検査に比べると抗原検査は100分の1から1000分の1の感度と言われています。ですから症状がない段階で使っても、あまり有効性は望めないのですが、それでも、体調が悪いときには抗原検査しかなければ、抗原検査をした上で、その後の行動をどうするかということを決める判断材料の一つにはできるというふうに考えています。

■“自宅待機に備えて用意しておくべきもの”とは?

井上キャスター:
今の状況を考えると、いつ誰が濃厚接触者や検査陽性者になってもおかしくないと思うので“自宅待機に備えて用意しておくべきもの”“こういうものがあると結構いいですよ”というものがあれば教えていただけますか?

倉持医師:
オミクロン株は、熱がずっと持続するということもないです。それから、肺炎を起こしてくるという頻度も実際CTを撮ってみると小さな肺炎はあるのですが、命を脅かすような肺炎はないので、用意しておくものとしては、例えば体を冷やすような氷類や解熱剤。2、3日分の食料。外出しなくても自宅で過ごせる態勢を整えることです。あとは暖かくできる毛布などを準備をしておくとよいと思います。

井上キャスター:
市販薬はごく普通のものでよいという解釈ですか?

倉持医師:
そうですね。わざわざ病院にもらいに行かなくても、症状緩和のための風邪薬を飲んでいただいても、今のところは問題はないと思います。それから、基礎疾患がある方は、喘息の治療や血圧、糖尿病の治療をしっかりと。通常通り薬を飲んで、経過を見ていただければよいかと思います。