国税庁は1日、土地の評価の基準となる最新の「路線価」を発表しました。
全国平均が4年連続で上昇するなか、“ある意外な街”が上昇率・都内2位にランクアップ。その背景を探りました。

キーワードは「郊外化」 路線価が上昇・下落する街の特徴は?

出水麻衣キャスター:
「路線価」が40年連続で日本一となったのは、銀座の鳩居堂前(東京・中央区)です。2024年より380万円ほどアップし、4808万円(1平方メートル当たり)になりました。

路線価とはどういうものかというと、道路に面している宅地の1平方メートル当たりの価格です。毎年7月1日に国税庁が発表しており、その年に亡くなった方の相続税などの税額を算定する際の基準になっています。

路線価の上昇率上位のランキングをみてみましょう。

【路線価 上昇率上位】(2025年)
●長野・白馬村:前年比32.4%↑
●北海道・富良野市:前年比30.2%↑
●東京・浅草(雷門通り):前年比29.0%↑
●岐阜・高山市:前年比28.3%↑
●東京・北千住:前年比26.0%↑

国交省によると、外国人向けの別荘やコンドミニアム需要から、長野の白馬村や北海道の富良野市などがランクインしているということです。また、再開発による賑わい向上への期待感などで、東京の北千住なども順位が上がっているようです。

一方で、路線価が下落した自治体もみてみましょう。

【路線価 下落率上位】(2025年)
●石川・輪島市:前年比-16.7%
●北海道・深川市:前年比-10.0%
●北海道・本別町:前年比-7.1%
●北海道・名寄市:前年比-5.0%
●奈良・桜井市:前年比-4.5%
●福島・南会津町:前年比-4.5%

まだ復興が道半ばで、これからも手助けが必要な石川の輪島市などは、残念ながら下落傾向にあるということです。

2025年の路線価について、キーワードを専門家に聞きました。LIFULL HOME'S 総研の中山登志朗副所長によると、キーワードは「郊外化」だということです。

中山副所長は「地方にマンションを求める人が増えている。『ローカル億ション』も増えているので路線価が上がる要因になっており、この流れはしばらく続くのではないか」と話していました。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
インバウンドの話はどこまで続くかわかりませんが、再開発はやろうと思えばできます。再開発次第で、まだまだいろいろな地域の魅力が増して、人々にとって住みたい街になる可能性は秘めていますよね。

出水キャスター:
そういう意味では、それぞれの地域にとって、路線価を上げる努力をする余力がまだあるのではないかと思います。