地銀グループトップの「ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)」と第二地銀の「福岡中央銀行」は11日に開催したそれぞれの取締役会で、経営統合に基本合意し、両社の間で基本合意書を締結したと発表した。
◆加速する地銀グループの統合
ふくおかFGは、九州全域をカバーする金融グループとして事業展開し、総資産29兆円を有する地銀グループのトップ。日経平均株価の構成銘柄の一つでもある。従業員は7830人。一方、福岡中央銀行は、福岡県を営業地盤に中小企業専門の金融機関として展開してきた。総資産は5700億円で従業員462人。
総資産だけでみると50倍以上の規模のガリバーが第二地銀を飲み込んだ形。
◆背景には厳しい経営環境
一方、両社を取り巻く経営環境は、低金利の常態化や異業種参入による競争の激化などによって厳しい環境が続いている。“テクノロジーの進化や地政学リスクの高まりに対応するため(ふくおかFG談)”にふくおかFGの信用力を活用し、福岡中央銀行の経営基盤の強化が欠かせないと判断したという。
両社は経営統合による相乗効果として▽顧客ネットワークの充実、▽中小企業向け金融の進化を掲げている。
◆「万全の体制」「全セグメントをカバー」
11日の会見で両社のトップは今回の経営統合に向けた合意を次のように説明した。
福岡中央銀行・荒木英二頭取:
5年先10年先を見据えた時に本当に今の状況でやっていけるのか私は懸念を持っておりました。早め早めに万全の体制を作ることが経営の責任だと判断しました。
ふくおかFG・五島久社長:
これでFFGがですね、名実ともに大企業から個人事業主を含む中小企業まですべてのセグメントをカバーできます。
◆福岡中央銀行が「完全子会社」に、合併は実施せず
両社は2023年10月1日をめどに、ふくおかFGを完全親会社、福岡中央銀行を完全子会社として株式交換を実施。福岡中央銀行は、ふくおかFGの完全子会社として傘下に入ることになる。一方、経営統合後も“それぞれの強みを活かした事業を展開する(ふくおかFG談)”ことから、合併は行わない。
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