県石油商業組合によるガソリン価格の事前調整疑惑で、組合が設置した第三者委員会は30日、組織ぐるみの調整が行われていたとする調査結果を公表しました。

第三者委員会 田下佳代委員長(弁護士):「組合の一部の地区の事業者間において独占禁止法3条に抵触する不当な取引制限行為、すなわちカルテルがなされていたと認められる」


県石油商業組合が設置した第三者委員会は30日、67ページにわたる報告書を公表し、会見で独占禁止法に抵触するカルテルがあったと認定しました。


この問題は、県石油商業組合に加盟するガソリンスタンドが、価格を事前に調整していた疑いが今年2月に持ち上がったもので、SBCの取材でも関係者が事実を認めていました。

しかし、当初、組合は事実を否定。

県にも「事実はない」とする報告を行い、阿部知事が「納得できない」と再調査を求めていました。

阿部知事:「これだけの報告、これで県民の皆さんが納得されると思いますか?2月13日に集まってどういう話をしたのか、皆さんは危機感がない」

今回、第三者委員会が価格調整があったとしたのは、北信・佐久・上伊那の3つの支部です。

第三者委員会 田下佳代委員長(弁護士):「支部は組合の一組織でありますから、組合の支部において、組織的に価格制限行為が行われていた」

特に北信支部では、ガソリン価格の情報を共有をする市況調査などが行われていたとして、組合員に対して相当な同調圧力をもたらしていたとしました。

カルテルの認定を受けて、北信地区の組合員は…。

北信地区の組合員:「やっと明らかになったので、きちんと最後まで対応してもらいたい。地域に貢献する石商という本来の形に戻ってもらわないと」

調査結果を受けて組合は、30日夕方、会見を開きました。


県石油商業組合 高見澤秀茂理事長:「極めて深刻に受け止めております。深く反省しております」

深く反省するとした一方で、報告の一部については認めず、役員は続投するとしました。


県石油商業組合 平林一修専務理事:「カルテル行為を日常的にやっているのはまったく承知していない。本当に知らなかった」

第三者委員会は、組合幹部のコンプライアンス意識の欠如や、組織の機能不全についても厳しく指摘しています。


第三者委員会 田下佳代委員長(弁護士):「組合幹部の方々にコンプライアンス意識が欠けていたと言わなければならない。組合員を守るためにやっていると一種の自己弁護の意識があるのではないかと思うが、それが独占禁止法に違反する行為を正当化する理由にはならない」

この問題をめぐっては公正取引委員会が調査を続けています。