空白の時間帯”放課後水難”
平日の、学校から帰宅後に起きた水の事故。
専門家はこの時期ならではの事故と話します。

水難学会 木村隆彦 会長
「”放課後水難”という言葉を私達は使っているんですけども、授業が終わった後に、まだ明るいし、暑いですから水を求めて水場に集まっていくようなことによって、水難事故が発生している傾向が見られます」

学校が終わった後の夕方の時間帯に起きるという「放課後水難」その理由…
水難学会 木村隆彦 会長
「一番問題になるのは、もちろん子供たちの体力がだんだんと低下してきている時間帯ということもありますが、大人が仕事をしている時間帯だということなんですね。そこの時間帯にもし水難事故が起きた場合、周りに大人がいないということになります。救助隊が来ることも遅れるし、誰か周りの大人が知恵を出し合う時間も無いし、そういう空白の時間帯、それが一番怖い」
夏休み前は「危険性が増す」
こちらは、警察庁がまとめた水の事故に遭った中学生以下の子供の数の推移です。
毎年、全国で200人近くの子供たちが被害に遭っています。
水難学会の木村会長は、夏休み前のこの時期は監視員などがいる海水浴場もオープンしておらず、安全対策が十分でない場所で水遊びをすることで危険性が増すと指摘します。
水難学会 木村隆彦 会長
「海水浴場がオープンすれば子供たちの水遊びの場所というのは出来てきます。だからそういう時期になれば、子供たちの遊びというものも変化してくると思いますが、それまでの間はやはり身近なところ、子供が住んでいて、歩いて行ける、もしくは自転車で行ける、その近くにある水辺というのは一番事故に気をつけないといけない場所かなというふうには思います」

26日の事故を受け、福岡市教育委員会は27日、全ての市立学校に通知を出し、子供だけで海や川に行かないよう児童・生徒たちに注意を呼びかけました。
木村会長は本格的な暑さが訪れる今、より注意をして欲しいと話します。
水難学会 木村隆彦 会長
「これからだんだんと暑くなってきてみんなが気が緩むって言ったらおかしいんですけども、生活をする上でも暑い時間帯が続いて寝苦しいとか、そういう寝不足のときもありますから、体の反応が鈍くなってくる。そういうところに水で遊ぼうとしたら、日頃使っていない体力を使うことになりますから、やはりそういうところが一番心配」