九州地区の第1代表として、2年ぶり8回目の都市対抗野球出場を決めた西部ガス。
今年は、防御率1点台をマークした盤石の投手陣に、破壊力ある打線が持ち味です。

松薗史敏監督
「攻めた結果のミス、前にはじくとかは全然オッケーなので」
監督を務めるのは、就任2年目の松薗史敏さん。
練習中の選手と松薗監督
「マツさんの取材すか?」「変なこと言ってやろう」「なんでや」
35歳の松薗さん、チーム最年長の選手とは、1つしか離れていません。

選手との距離は、必然的に近くなります。
ノックを受ける選手と松薗監督
「これ捕ったら都市対抗スタメンです」「捕ったらスタメンらしい」「答え合わせは2か月後やね」「ドキドキする」
2012年に発足した西部ガス硬式野球部。

松薗さんは、その1期生。
同期の選手たちが次々と肩をたたかれて辞めていく中、最後の1人になるまで残り、2021年10年間の現役生活を終えました。
チームでは、初めての「生え抜き監督」です。

2期生・永利拓也選手
「松薗監督のことを皆知っているので、時には厳しく時には優しく、オンオフがしっかりした監督だと思っています」

2期生・金澤達弘選手
「良い意味で監督感がないというか、年下の子でも気兼ねなく話せる監督かなと感じます」
監督として練習や試合で指揮を執ることはもちろん、年間のチームスケジュールを組んだり、スカウト活動をしたりします。

そして、選手ひとりひとりの成績を評価する「査定」も大事な仕事です。
野手の場合、都市対抗野球のような大きな大会となれば、ホームランなら4倍の点数がもらえるよう設定しました。
それに加え、練習や試合中の声かけなど記録に残らない部分は監督の松薗さんが評価します。
松薗史敏監督
「野手だったら順位がつくので、順位が下の方はクビになる可能性が大きかったり、結果を出さないといけない世界ではあるので」
部員の数は、25人。
毎年、新人が入るため、辞める選手も出てきます。
松薗さんは、査定の詳細をあえて選手に公開しています。
誰よりも、社会人野球の厳しさを知っているからこその判断です。
松薗史敏監督
「どういう形で評価されているのかを明確にすることで」「こういう形で皆の評価になって給料になるよっていう話はしながらプロ意識を持たせながらやっていますね」