「大長みかん」を守るために…

JA広島ゆたか管内で生産されるブランドみかん「大長みかん」です。その7割は広島市に出荷されているということです。合併協議は去年9月にスタートしました。

メリットについてJA広島ゆたかは大長みかんの販売力強化や産地の振興。JA広島市はブランドミカンを特産品にした新たな販売戦略などをあげています。

しかし、産地で話を聞くと合併の背景には産地が直面する厳しい状況もあるようです。

生産者 国実久二さん
「これだけ過疎化になって、高齢化になって、生産量が落ちてきて、タイミング的には(合併は)よかったんじゃないか思うんですよ」

JA広島ゆたかの金子仁組合長を訪ねました。

金子仁組合長
「正直なところ言いますと、生産量もかなり減っています。大長みかんという1つのブランドを維持していくということでは、一定量の生産量を確保していかないと継続していくこと難しくなってくるので」

大長みかんの生産量は年間5000トンから7000トンで推移していましたが、3年前から5000トンを割っています。特に2023年は極端な雨不足もあり3000トン台前半にまで落ち込みました。その要因が、高齢化による生産者の減少です。

JAへの出荷者はこの10年間でおよそ3割、減りました。合併には生産者の減少に歯止めをかける狙いもあります。

金子仁組合長
「この合併をすることによって、中四国最大の都市の広島市内の中からも、農業の取り組みをする担い手の方々をさらに招き入れて、生産量が減っていく状況を改善して行きたい」

JA広島ゆたか管内にはミカンやレモン栽培などに毎年4~5人の新規就農者がいますが、この中には広島市からの就農者もいます。

金子組合長は合併を機に新規就農者を倍に増やしたいと考えています。合併は大長ブランドを守ることになるのか。JAでは合併後専門の部署を立ち上げ就農者の育成や販売戦略の構築などにあたる予定です。