
坐来大分で9日に開催された商談会は大分県が開催していて、県内の加工食品44品が展示されました。バイヤーは商品の説明を受けながら試食し、商談を希望する商品については県が生産者へつなぎます。
出品された商品をいくつか紹介すると、湯布院の飲食店が商品化した「由布まぶし」。鰻・豊後牛・地鶏の3種類があり、最初はそのまま食べる、次に薬味を混ぜて食べる、そして最後に出汁を加えて食べるという「三度美味しい」という商品です。

次に、豊後大野市大野町の企業からは地元産野菜や米をパウダー化した「VEGEMARI」。中でも「炊いたお米の粉」は水で粉を溶かすだけですぐにお粥になるため、離乳食として人気という商品です。野菜の粉末も手軽に栄養がとれるということで、料理のアレンジにも重宝されています。

そして、大分県を代表する特産「カボス」を使った「黄柑棒」という菓子もありました。臼杵市の企業が生産していて、有機無農薬で栽培した完熟の黄色いカボスの皮を使い、添加物を一切使わず、手作業で丁寧に仕上げています。

こうした個性豊かな加工食品が集まる中、参加したバイヤーはどんな視点で商品を評価しているのでしょうか?尋ねてみると、採用されるポイントを説明してくれました。
(関東中心に店舗で食品などを販売する企業のバイヤー)
「店舗では1400アイテムほど取り扱っていますが、こうした商品とバッティングしないものを探しています。うちのコンセプトは国産の原料、そして地域の商品です。パッケージは重要ですね。様々な商品の中に埋もれてしまわないようなパッケージが必要です。こだわり感のある商品が好まれますね。九州だと調味料が面白いと思います。しょうゆとかは関東とは結構味が違うので」
(店舗とインターネット上で商品を販売する企業のバイヤー)
「どの商品も味は美味しいのですが、日本全国各地、似たものが多いのが現実です。そこで、特徴があるもの、お客さんに美味しいだけでないプラスアルファを提案できる商品を採用したいです。例えば、すべて〇〇県産で作った商品とか、その企業にしかない技術や加工方法で作られたものなど、商品を陳列する際にポップに記入できるような内容がほしいです。また、作り手の思いが感じられる商品も重視されます。なかなか採用を即決できる商品は少ないのですが、いいなと思ったものは細かくチェックしています」

バイヤーの意見をまとめると、商品の地域性や生産者のこだわり、企業が持つ技術力などが評価されやすいポイントとのこと。また、商品の良さ・こだわりをいかに表現するかも、陳列された際に売れるかどうかの分かれ道になりそうです。さらに価格やロットなどの要素も加味され、バイヤーが社内に情報を持ち帰って採用するかどうかを検討しています。
加工食品を扱う地方企業にとっては、いかに大きな市場で販路を広げていくかが課題です。バイヤーの「本音」は販路拡大だけでなく、商品の磨き上げにつながるヒントになるかもしれません。