広島市は、平和公園の原爆供養塔に安置された、名前が分かりながら遺族が見つかっていない813人の遺骨のうち1人の遺族が判明したと発表しました。遺族が判明したのは2年ぶりのことです。
遺族が判明したのは原爆投下当時、陸軍に所属していた新里武夫さんの遺骨です。
全国に掲示される原爆供養塔の納骨名簿を見て名前があることを知った遺族の関係者から、去年11月に広島市に連絡がありました。遺骨について遺族は供養塔での永久安置を望んだということです。

遺族は「兄が広島に行き亡くなったことは聞いていました。もっと若くて動けたら遺骨を引き取りにいくことができたかもしれません」とコメントしています。
遺族が判明したのは、2023年に1人が見つかって以来、2年ぶりとなります。
原爆供養塔には引き取り手のない約7万人の遺骨が納められています。そのうち名前が分かりながら遺族が見つかっていない遺骨は、これで812人になりました。
名乗り出る遺族の数は年々減少しています。遺族が判明した遺骨の数は1976年の191人をピークに、被爆50年が過ぎた1996年以降は1~7人、2012年からは0~2人が続いています。
広島市は「被爆80年の原爆の日を前に、遺族が分かり安堵しています。812人の遺骨についても、できるだけ遺族が判明するよう呼びかけていくことが本市の責務だと考えています」としています。
