最短ルートなのに“国鉄路線との競合”で廃止

今回のセミナーでは、郷土鉄道史家の草卓人氏が講師を務め、約70名の参加者を前に笹津線の歴史を解説しました。

草氏は「富山軽便鉄道の時代から、笹津線の開業、廃止に至るまでの歴史は、大沢野地域の発展と密接に関わっていた」と説明。当時は高山線が八尾経由で建設されるという政治的な力学もあり、笹津線は富山から笹津への最短ルートでありながら、国鉄路線との競合で廃止に追い込まれた経緯を紹介しました。

また、かつて笹津線沿線には八木山など行楽地があり、観光客で賑わった時代もあったことや、敷島紡績への貨物輸送にも貢献していたことなどが語られました。