富山市の大沢野地域を走っていたローカル鉄道「笹津線」の廃止から50年となる節目の年を記念して、身近な鉄道の記憶を未来に伝えるセミナーが、22日に大沢野会館で開催されました。

地域と歩んだローカル線 “笹津線” とは

笹津線は富山地方鉄道が運営していた路線で、南富山駅から大沢野を経て、笹津駅までを結んでいました。かつては地域住民の重要な足として親しまれていましたが、1975年(昭和50年)3月31日に惜しまれながら廃止となりました。

この路線の歴史は大正時代にさかのぼります。

1914年(大正3年)に富山軽便鉄道として開業し、その後「富山鉄道」と改称。神岡鉱山の鉱石輸送や木材運搬などの貨物輸送を中心に、地域経済の発展に貢献しました。

しかし、1933年(昭和8年)に一度廃止となった後、戦後の1950年(昭和25年)に南富山から大久保町間が復活。1952年(昭和27年)には大久保町から地鉄笹津間が開通し、再び全線が運行されるようになりました。

モータリゼーションの進展により利用者が減少し、最終的に廃止を迎えるまでの約25年間、笹津線は再び地域の人々の暮らしを支えていました。