柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、東京電力が方針転換です。稲垣武之所長は25日、これまで目指してきた7号機の再稼働を先送りし、今後は6号機を優先する考えを示しました。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「県内では再稼働に関する議論が進行中の状況。これらの状況を踏まえると、現場の安全を預かる発電所長として6号機の起動準備に集中すべきであると判断した」

稲垣武之 所長が25日に表明した方針転換。

これまで先行して準備を進めてきた7号機に代わり、今後は6号機の再稼働を優先する意向を明らかにしました。

その理由の一つが、設置が義務づけられているテロ対策施設です。

施設の完成が大幅に遅れ、仮に再稼働しても、7号機は今年10月以降は運転ができない状況となっているのです。

そして、もう一つの大きな理由が“地元の同意″。鍵を握る花角知事はまだ態度を明らかにしておらず、見通しが立たないことから7号機の再稼働を先送りする形となりました。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「7号機・6号機を同時に立ち上げるのが厳しいというところで、『6号機』にリソースを集中したいと」

その6号機。今月21日に燃料の装填を終え、8月にも技術的には再稼働できる状態となる見通しで、テロ対策施設の設置期限が来る2029年9月までは運転が可能になります。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「『グズグズしているつもりはない』とは以前から申し上げてきたところ。この発電所は東日本全体にとって、電力需給に非常に大きな位置づけだと思っているので、“(地元の)同意”が得られたという前提の上で、できる限り早い段階で貢献していきたい」

一方、7号機にすでに装填している燃料については、今後、燃料プールに戻すことも検討していくということです。
