元中東支局長「陰で行われる戦争は続いていく可能性がある」
アメリカの参戦により、さらなる戦火の拡大が懸念された中東情勢。一転、停戦合意に至った背景には何があったのでしょうか。

元JNN中東支局長 秌場聖治 記者
「互いにミサイルを撃ち合うしか手がなくなってきていた。そうすると消耗戦に入っていって、お互い良いことはないという状況になっていたのは間違いないです。
アメリカは軍事力を誇示するような作戦を見事に成功させたと。一方、イランからの反撃は大したことなかったということで、“ここで手打ちにしておけばアメリカとしてはこれ以上はやらない”、“私たちがまさに力による平和を実現した”と言えるという思惑もあるでしょう」

ただ、停戦発表後にイスラエル軍は「イランからミサイルが発射された」と発表しました。一方、イランの国営テレビは、この報道を否定しています。
その後、イスラエルもイランに対して攻撃を行っていて、これにトランプ氏は…

トランプ大統領
「私は彼らのことが気に入らない。イランもだがイスラエルもだ。合意直後にイスラエルが守らなかったことと、反撃が強力だったことが気に入らなかった」
こうした状況のなか、それぞれ市民から聞こえてくるのは疑心暗鬼の声ばかり。

イスラエル テルアビブ市民
「これが20年・40年の停戦になるならいいけどね。ただ、そうはならないだろうね。そのうち分かるよ」

イラン テヘラン市民
「過去の歴史を振り返ると停戦協定がなかった。停戦の協定をそのまま守ってほしい」
停戦は守られ、継続できるのか。
元JNN中東支局長 秌場聖治 記者
「仮に今回のミサイルの撃ち合いのようなものが止まったとしても、両国の敵対関係は変わりません。
イスラエルはイランの核科学者の暗殺はこれまでもやってきた。イランもイスラエルに対して、自分の代理勢力を使いながら攻撃をしかけてきた。いわゆる“熱い戦争”ではなく、陰で行われる戦争は続いていく可能性がある」