終戦から今年で80年。
東京大空襲による炎の中で母親を亡くした詩人がその壮絶な体験を詩にしたためました。
そして、生前この詩人と親交があった美術家がその詩を絵画で表現しました。
詩人から美術家へ。
平和への強い思いが受け継がれています。
転倒した母親を炎の中に置き去りにした

北九州市の戸畑図書館で、設立100周年を記念して開かれている「左近絵巻構想展」。

絵画作品の基になっているのは、戸畑区出身の詩人・宗左近(そう・さこん)が書いた詩集「炎える母」です。
1945年5月の東京大空襲。

母親と手をつないて必死に逃げていた宗左近は、転倒した母親を、炎の海の中に置き去りにしてしまいます。

大空襲に焼かれる母の姿を目の当たりにする壮絶な体験。
あまりに深い悲しみを宗は鎮魂と癒えることのない自責の念を込めて詩にしました。