"地域の逸品"を、大阪・関西万博の場で世界に発信する「にっぽんの宝物祭り」が、23日に行われました。過去10年のグランプリ獲得事業者が勢揃いする「レジェンドグランプリ」では、高知県勢2つの事業者が"トップ2"に輝きました。
地域に眠る食や工芸などを磨き上げ、全国や世界レベルに育てようと開かれている「にっぽんの宝物」プロジェクト。23日、過去の大会でグランプリを受賞した事業者が集結して頂点を決める「レジェンドグランプリ」が、大阪・関西万博の会場で行われました。
出場したのは、歴代チャンピオンのほか、販売売り上げなどで実績を誇る国内の8事業者。高知県勢からは、田野町の塩職人・田野屋塩二郎さんと、香美市の菓子メーカー「スウィーツ」が出場しました。2人は、これまでの大会で繰り返し受賞してきました。
田野屋塩二郎さんは、「砂糖で作った塩」を出品。「海水に砂糖を溶かして塩に仕上げるという技術で、13年の試行錯誤を経て完成に至った」とPRしました。審査員の反応は…?

◆審査員
「うわー、これはすごいな!何?この調味料…『塩』とでも『砂糖』とでも言いにくい!」
そして「スウィーツ」は、インドネシア産のカカオを使ったロールケーキを出品。インドネシアのカカオの品質を上げることで生産者の生活を向上させるプロジェクトに、「スウィーツ」の春田聖史社長が共感し、商品開発に取り組んできました。
ロールケーキは、香料や乳化剤、小麦粉を使わず、カカオの豊かな風味を引き出したといいます。

◆審査員
「"生のカカオ"をいただくという感じがしますね。カカオとは、本来こういうものなんでしょうね」
審査の結果、田野屋塩二郎さんと「スウィーツ」は、上位4事業者に選ばれました。そして、その4つの事業者の中での決選投票。8人の審査員が「これぞ!」と思った事業者に「レイ」をかけ、その合計数で「チャンピオン」を決定します。
その結果は…
◆会場アナウンス
「レジェンドは、塩二郎ー!」
「砂糖で作った塩」を出品した田野屋塩二郎さんが、16票のうち7票を獲得。「レジェンドグランプリ」に輝きました!

◆田野屋塩二郎さん
「もちろん、すごくうれしいです!ただ、運よくレジェンドグランプリをとらせてもらいましたが、逃した方もいらっしゃるので、喜びの声は控えさせていただきます。ものすごい"夢"のある大会でした!選手としてはこれで引退しますが、若い人の指導などをしていけたらと思います」
そして、インドネシア産のカカオを使ったロールケーキを出品した「スウィーツ」は、2番目に多い4票を獲得。万博の大舞台で、高知県勢の2つの事業者が"トップ2"に輝いたのです。
◆スウィーツ 春田聖史社長
「過去10年間のトップチームの中で、こんなトップに切り込めたのはみんなの力のおかげで、すごく誇りに思う。インドネシアの生産者を巻き込んで、大きな渦を作れるか、ここからが勝負なので頑張りたい」
プロジェクト開始から"10年の節目"となった、「にっぽんの宝物 レジェンドグランプリ」。そこでトップ2を占めた高知県勢は、大きな輝きを放ちました。そして、高知の地域の食や技術の"さらなる磨き上げ"に、今後も目が離せません。