アメリカがイランの核施設を攻撃し中東情勢は一層、緊迫しています。
イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ・ガザ地区で支援活動をするNPOが22日、北九州市で講演会を開き攻撃で亡くなったジャーナリストの思いを紹介しました。

NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「5万人以上の人が亡くなり、そのうちの4割は子供たち。そんなことが皆さんが生きている世界の中で起きています」

22日、北九州市で開かれた講演会でパレスチナ・ガザ地区の状況を語ったのは、人道支援を行うNPO「地球のステージ」の代表理事桑山紀彦さんです。
心療内科医として、紛争地の子供の、心のケアに取り組んできました。

ガザ地区のモハマッド・マンスールさんは13歳の時に桑山さんと出会いました。
2008年から2009年にかけてのイスラエル軍による空爆と地上侵攻が行われた頃のことです。

NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「この子これからどうなっていくんだろう。この怒りってどこに向かうのかな。とても気がかりでした。だからそれからずっとモハマッドと付き合ってきました」
桑山さんのケアもあってかモハマッドさんの怒りは暴力には向かいませんでした。

NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「ジャーナリストになりたいという夢を持つようになっていました。ガザで起きていることを世界で伝えていく。それが彼らしい正義に変わって行ったんです」

遺体を手に悲嘆に暮れる人。

破壊された建物にたたずむ人。

モハマッドさんはガザ地区で起きていることを外の世界に発信し続けました。
NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「戦争しか知らないんですよ。生まれてから一度も平和だった時はありません。でもこんな風に人って成長するんだなって教えてくれました」

モハマッドさんが写真に込めた思いを桑山さんはこう振り返ります。


NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「これを伝えることが正義であって反イスラエルとかイスラエルに対する復讐とかそれは正義ではないと思っている。一枚一枚の写真が彼にとっての正義だと思います。これが現実なんだよという」「戦争のない世界と、人が繋がり合うことで人は生きていけるというこの2つを伝えたかったんだと思います」

今年3月、モハマッドさんはイスラエル軍のミサイルによって命を落としました。

NPO地球のステージ・桑山紀彦 代表理事
「これは亡くなる5日前の彼の生きている時の最後の写真です。ズームでつないで、5日後にあいつがこの世を去るなんて誰も思ってなくて」
モハマッドさんが亡くなって3か月。

ガザ地区では今もイスラエル軍による攻撃が続いています。

ガザ保健当局は今月18日、イスラエル軍の攻撃で、この24時間に144人が死亡したと発表しています。














