「リサイクルには金がかかってしまう」…多額の費用とエネルギーで成り立つ現実

滋賀県甲賀市にあるリサイクル工場に、名古屋市からおよそ9トンのプラ容器が運ばれてきました。名古屋市は1トン当たり500円を支払い、プラ容器を引き取ってもらいます。資源と言っても処分にお金が必要なごみと同じ扱いとも言えます。
ここで塊を一度バラバラにして、また分別。機械が樹脂の種類を判別し、製品に使えるものを選びます。はじかれたものは製鉄工場などで燃料として利用。使えると判断されたプラ容器をさらに細かく刻み、脱水や圧縮をして灰色の小さな塊に加工されました。
(エコパレット滋賀・為井章宏工場長)
「(200度の熱で)溶けた樹脂を金型に注入して、冷やして完成品が出来上がりです」
作られていたのは、フォークリフトで物を運ぶ際に台として使われる「パレット」。製造・物流など多くの現場で欠かせない資材です。1トン当たりの販売価格は10万円程度ですが、回収や分別などリサイクルのコストはおよそ13万円。いわば差し引き3万円の赤字が、プラスチックを大量消費する今の社会を支えている形です。

(名古屋市環境局・川浦雄介主査)
「リサイクルには金がかかってしまう。金をかけてリサイクルするのではなく、ごみ自体を減らしていく」
多額の費用とエネルギーを使って成り立っているリサイクル社会。持続可能な社会のためにも、家庭や企業が出すごみそのものを減らすことが何より大切なのは言うまでもありません。
CBCテレビ「チャント!」11月3日放送より